分割鍵のバニティアドレス:販売者を信用せずに買う
バニティアドレスを作った者は、その秘密鍵も作っています。探索が公開鍵の上で走るのでない限りは。split-key 購入の仕組み、背後の算術、何を守り何を守らないのか、そして自分で確かめる方法。
このページの内容
出来合いのバニティアドレスを売る店には、どこも同じ穴があります。規約をいくら書いても塞がりません。そのアドレスを作るために、販売者はその秘密鍵を作りました。 複製は削除したと言われることはあります。それを示してもらうことはできません。
分割鍵による購入は、この前提と議論せず、前提そのものを消します。販売者は相変わらず高価な仕事をします。GPU で毎秒数百万の候補アドレス。それでいて、最後にあなたの手に残る鍵を一度も持ちません。
算術
TRON の鍵は secp256k1 曲線上にあります。秘密鍵は数 d、対応する公開鍵は点 d·G です。役に立つ性質は、この対応が足し算と馴染むことです。
`` (d + s)·G = d·G + s·G ``
おかげで探索を二つに割れます。
- ブラウザが乱数
dを選び、公開側の半分P = d·Gだけを送り出す。 - ファームがオフセット
s = 1, 2, 3, …を試し、P + s·Gを計算してそのつどアドレスを確かめる。dを知ることはないので、d + sも知ることはない。 - ファームは、あなたのパターンに当たった
sを返す。 - ブラウザが
d + sを計算する。見つかったアドレスの秘密鍵です。
オフセットは平文で流れて構いません。単体では無価値だからです。d がなければただの数字であり、P から d を復元することは、secp256k1 が拠って立つ離散対数問題そのものです。
双方が知っていること
| あなた | 販売者 | |
|---|---|---|
あなたの半分 d | 知る | 知らない |
公開の半分 P | 知る | 知る |
オフセット s | 知る | 知る |
最終的な鍵 d + s | 知る | 知らない |
完成した鍵が販売者の機材に存在する瞬間はありません。メモリにも、ログにも、バックアップにも。断片がそこで出会うことがないのです。
守ってくれないこと
分割鍵は万能薬ではなく、そう匂わせる店は安全ではなく安心を売っています。
- 販売者のコードを検証してはくれません。 ブラウザが本当に手元で鍵を作る必要があります。開発者ツールを開き、注文中の Network タブを見て、ページから出ていくのが 16 進 128 文字の公開鍵であり、64 文字の秘密鍵ではないことを確かめてください。
- 弱い乱数は直せません。
dが予測可能な供給源から来たなら、最終的な鍵も予測可能です。現代のブラウザのcrypto.getRandomValuesなら十分ですが、手で打った「ランダムな」数字は違います。 - アドレスポイズニングは消えません。 覚えやすい末尾は、詐欺師が似せたものを作るのも容易にします。送金のたびにアドレス全体を確認し続けてください。
- 代わりにバックアップはしません。 これが本当の対価であり、厳しいものです。販売者はあなたの半分を復元できません。一度も持っていないからです。失えばアドレスは永久に失われます。
在庫から買うより時間がかかる理由
棚のアドレスは前もって生成済みなので、引き渡しは即時です。split-key のアドレスは、誰かがあなたの公開鍵で探し始めるまで存在せず、他人の注文を使い回すこともできません。選んだ長さに応じた探索時間に、GPU を立ち上げる時間を足して見積もってください。
四文字や五文字なら、これは適した道具ではありません。あなた自身のノートパソコンがブラウザで動く無料のジェネレーターで数秒のうちに見つけますし、そのとき第二の当事者は存在しません。分割鍵がその価値を持つのはおおよそ七文字から。探索に、買うより借りたい機材が要る領域からです。
うまくいったことの確かめ方
オフセットが返ってきたら、ブラウザは何かを表示する前に二つのことをすべきです。d + s からアドレスを導き、約束されたアドレスと比べること。違えば鍵が誤っており、何も表示してはいけません。
この確認はご自身でも繰り返せます。鍵を TronLink に取り込み、表示されるアドレス 34 文字すべてを比べてください。ウォレットは鍵そのものからアドレスを導くので、一致すれば鍵が正しい証拠になります。どのサイトも信用する必要はありません。
よくある質問
オフセットは秘密ですか
いいえ、その必要もありません。オフセットは足し算の片側にすぎず、もう片側はブラウザから出ていません。公開しても、攻撃者がアドレスからすでに計算できること以上は何も伝わりません。
販売者は自分でも使える鍵を探せますか
あなたの注文については不可能です。ファームに渡されるのは P であり、P から到達できるどのアドレスも、使うにはあなたの d が要ります。もちろん無関係なアドレスを生成して差し出すことはできます。だからこそブラウザは、渡された鍵が約束どおりのアドレスを導くかを確かめるのです。
自分の半分をなくしたら
アドレスは失われ、復旧の道はありません。方針ではなく算術上の事実です。販売者は和の片側しか持たず、もう片側を作り直せません。半分が表示された瞬間に、それを作ったブラウザとは別の場所へ保存してください。
マルチシグのウォレットと同じですか
違います。マルチシグは、一つの口座について複数の鍵がそれぞれ取引を承認できる仕組みです。分割鍵は一度きりの構成上の工夫で、二つの数を一度足すだけ。出てくるのは、ふつうの TRON 口座の、ふつうの単一の秘密鍵です。
HaoKey で使えますか
はい、カタログのすべてのマスクで。通常の購入ボタンの隣にある「トラストレス」の選択肢です。当方のセキュリティページでは、鍵を当方に預けずに済む三つの方法の一つめとして挙げています。